最近では漢方薬の人気が高まり、それと共に生薬のもととなる薬用植物の栽培が注目されるようになってきました。生薬というのは植物の葉や根や実などを加工したものですが、今まではその多くは輸入に依存していました。しかし、近年では国内での栽培が盛んになりつつあり、さまざまな企業も力を入れるようになっています。薬用植物の栽培に関しては資格は必要ではありませんが、安心して飲める薬を製造するにはその原料は高い安全性を持つものでなくてはならず、これらは無農薬を原則として育成することになっています。
また、収穫後の管理方法にも徹底した安全性が求められますし、これらを加工する段階では、医薬品製造業の許可が必要となります。さらに、これらの育成に対しては各メーカーだけでなく、2013年からは国の補助金も出るようになり、自治体やその他の団体なども支援を行うようになってきています。現代は、健康に関する考え方や病気への対処法も多様化しているので、健康を全体的なものとしてとらえ、慢性的な病気の予防や治癒、体質改善などに役立つ漢方薬の需要は今後ますます高まることが予想されます。
そして、生薬に関するソムリエや認定薬剤師などの資格も生まれています。そんな中で漢方薬の品質を高め、それらを大量に安定して供給できるようにするためには、薬用植物の育成に力を入れることがさらに重要になってくるはずであり、これを職業とする人達はますます増えていくと考えられます。